こんにちは
ペットシッターBomnal(ぼんなる)です。
ひとつ前の記事でお話ししたように、今回ははると過ごした日々を振り返り、ハイシニアへの移り変わりの中で生じた変化についてお話ししてみたいと思います🌱
身体の変化
まずはじめに、はるの健康遍歴を少々。
はるは幼少期から乳腺に水が溜まってしまう症状を繰り返しており、その関係で7歳のときに子宮と乳腺を切除する大きな手術をしました。
うさぎは子宮の病気がとても多く、最近は将来的な予防のために避妊手術をおすすめしている病院が多いです。当時何も知らない素人だった私はそのことを全く知らなかったのですが、今思えばその時の手術がはるとこんなにも長く過ごさせてくれた要因のひとつだったのではないかと思っています。
その後少し飛び…12歳ごろまではありがたいことに大きな病気もなく元気にすごしていました。
もちろん、いつ何が起こってもおかしくない年齢ではあるので、一般的にシニアステージになったら気をつけたいこと、例えば
- ペレットや牧草の種類を見直す
- 出入りしやすいケージの環境や排泄しやすいトイレを整える
- 休む時間が増えることでソアホックになりやすくならないよう定期的に起こしたり、筋肉量が落ちないように動くように促す
など予防的なサポートはしていました。
12歳をすぎたあたりから少しずつゆっくり過ごすことが増え、筋肉量が落ちはじめ、前足の麻痺がではじめました。(麻痺の原因は不明で、この時点では日常生活の動きには全く支障はなく、なんとなくふせてウトウトしているときに少し右に傾くなぁという程度でした)
14歳ごろからは運動量が明確に減り、歯の不調が出始め、通院が増えていきました。半年に1回程度の歯科処置が3ヶ月に1回に増えていき、前肢の麻痺も明らかに進行し、ケージへの出入り時に足がひっかかったりよろけることが増えました。
うさぎさんの代表的な病気といえば歯の過長があげられると思いますが、はるの場合は若い時は歯のケアが定期的に必要な子ではありませんでした。しかし歳を重ねるごとに歯の石灰化が進み、うまく噛み合わなくなり、牧草を食べる量が少しずつ減っていったことで歯の処置が必要になっていきました。
そして15歳になろうというあたりからもう一段階ステージがあがり、生活する上でのサポートがたくさん必要になるようになりました。
12歳ごろの”予防的”なサポートではなく、対処療法的なサポートが必要になってきたというイメージで、「介護」の要素が強くなってきたのが最後の半年ほどでした。
気持ちの変化
私がはるとの「別れ」を明確に意識しはじめたのは13歳ころからでした。
動物医療が発達してきたとはいえ、いまだうさぎの平均寿命は7歳前後といわれています。
そのため10歳を超えたあたりからいつ終わりがきてもおかしくないんだと常に万が一を想像していました。
ただ12歳ごろまでははるは若い時とほとんど変わらなかったため、それほど身近には感じていなかったのが正直なところです。
きっかけとなったのは13歳ごろ、体調を崩した時でした。歯の過長で歯科処置をしたときのことだったと思います。
もともとはるは麻酔からの目覚めが早く、処置後もすぐに覚醒し戻ってくる子でした。ただその日ははるの様子や回復の仕方がこれまでとどこか違いました。同じ麻酔薬を同じ容量で使っているにも関わらず、いつもよりも麻酔からの覚醒に時間がかかっていました。覚醒後も少しぼーっとしたような状態がみられ、明らかにこれまでと違う様子に違和感を覚えました。(その後少ししていつも通りに戻りました)
その時、まだまだ元気だと思っていたはるとの暮らしに、少しずつ「終わり」が迫っていることに気づきました。
不思議なのは、はるが体調を崩した時の私自身の感じ方。
「別れ」を明確に意識しはじめてからよりも、それより前の方がむしろ「このまま息を引き取ってしまったらどうしよう?」と不安に駆られることが多かったように思います。
予期していないからこそ、急激な別れの出現に頭が対応できなかったのだと思います。
話は戻り、13歳のできごとをきっかけに「どのような最期であってほしいか」をしっかりと考えるようになりました。
「ただ生かすだけの処置はせず、最期まで苦しむことなくはるらしく穏やかでいられること」
私はそれを一番大切にすることにしました。
これがはるにとって本当によかったのかは、はるに聞いてみないとわかりません。
私にははるからもらったたくさんの準備期間があったけど、例えば予期せず急な別れに直面したらこんな風には思えなかったかもしれない。
答えは動物とご家族の分だけあると思います。
ただ私は、はるが受け入れられることだけしよう。はるが頑張らなくてはならない治療やケアはせず、”延命”するための処置はしないようにしよう。そう決めました。
でも実際それはすごく難しいことでした。
たとえば歯が痛くてごはんが食べられない場合、痛みはあってもお腹は空きます。お腹が空いているのに食べられない飢餓状態が続くのはとても辛いことです。うさぎの場合その動物種の特性上、食べれなければ最悪数日で命を落とすでしょう。でも歯を治すなら麻酔をかけて処置をしなければなりません。麻酔中に命を落とすかもしれないし、麻酔からうまく回復できずに辛い状態になるかもしれない。今回はうまくいってもまたなるかもしれない(繰り返す可能性が高いものでした)
そうなった場合、歯科処置は果たして延命処置か緩和ケアか?
…本当に難しいですよね。
結局私は、口が痛くなった場合は最期まで麻酔をかけることに決めました。
もし万が一麻酔から回復できなかったとしても、術中に旅立ってしまっても、麻酔がかかっていればはるが痛みや苦しみを感じることは少ないから…。
この決断のように、はるとの暮らしで一番難しかったのは「やらない決断」をどこで下すかということでした。
そして、動物病院に来院する患者さんのなかでもこの決断に頭を悩ませる飼い主さまがたくさんいらっしゃいました。
できることならいつまでも元気でいてほしい。何をしても治してあげたい。もっと一緒にいたい。
でも命にはいつか終わりがきて、大切な存在が苦しむ姿を知っているからこそ苦しい決断をする。
その決断に恐怖や罪悪感を抱く人も多いかもしれません。
受け止めきれなくて、悩んで悩んで心が壊れそうになってしまった方もいました。
でもその悩みや決断は、何よりも大きな愛情の裏返しであるということをみんなが知っています。
私は最期の迎え方を考えていたおかげで(考える時間があったおかげで)、取り乱すことなく、決断が遅れることなく、はると残された奇跡のような時間を大切に過ごすことができたと思っています。
もし歳を重ねた動物と暮らしている方がいらっしゃったら。
病気と闘っている動物と暮らしている方がいらっしゃったら。
まだ若くて元気な動物と暮らしている方も。
「何を大切にしたいか」「愛する動物にどんな人生を贈りたいか」「どんな最期を迎えてほしいか」
いざその時がきたときに、あなたやあなたが愛する動物を支えてくれるように。
少しだけ自分の心と向き合ってみるといいかもしれません

